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訪問リハビリテーションと機能訓練事業

訪問リハビリテーションと機能訓練事業

  1. 地域リハビリテーションとは「在宅障害者が元通りの地域社会生活を得ることである」

決して「在宅害者に機能訓練を行うことを意味するのではない」

地域リハビリテーションとは、障害のある人々や老人が住み慣れたところで、そこ  に住む人々とともに一生安全に生き生きとした生活が送れるよう、医療や保健、福祉および生活にかかわるあらゆる人々がリハビリテーションの立場から行う活動のすべてを言う。(日本リハビリテーション病院協会・地域リハ対策委員会)

 

  • 障害者のニーズに基づき、素早く、まとまって、継続して対応する
  • それぞれの活動を組織化してバラバラな活動にならないようにする
  • 一般の人や活動に関わる人々が、障害を負うことや歳をとることを家族や自分自身の問題として捉える必要がある。

 

  1. 在宅や施設で生活する、障害を負った人々が元気を失うことが多いが、何がリハビリテーションをはばんでいるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やる気がない、無気力などの心理的問題は、「頑張れ、元気をだせ」といってすむ簡単な問題ではない。元気を失わせる条件を改善し、悪い状況をひとつでも除去して、本人の心の変化を待つことが基本である。

  • 生活感覚のとまどい:病前にくらべると何事にも時間がかかる。今までしていたことをやめなければならないこともある。自分は何ができるかわからない、自分の役割が見出せない、行動の目標がなくなる。
  • 孤独・孤立感の問題:社会的孤立とは人間関係がなくなること。それまで築きあげてきた人間関係が減ったり、なくなったりすることこれが最も恐ろしいことである。

    一人になってしまうのではないかと思うと淋しい。淋しさは生きる力を殺ぐ(そぐ)。

    障害を負って何事も思うようにできない無用な人間になったと思い込むと、以前の元気であったことが思い出される。そして「元に戻りさえすれば…」と現在の不自由な体の自分と元気であったころの自分を思い比べてしまう。気持ちは常に過去を向く。後ろを向く。過去にしか関心が向かない「孤独の殻」に入る。あるいは「過去の自由に動いた体を取り戻そうとして永遠にかなわない、果てしない訓練に励むことになる。

    このような人は元気がなく、周囲の人は腫れ物にさわるようにして近づかない。

     

 

必要なことは

  1. 仲間・友達

 

  1. 生きがいには、仲間がいること、目標があることの二つが前提となる。

障害を負っても元気になったひとは多い。元気な人の中にいると元気になる。仲間と一緒に元気になっていく姿勢が重要である。

  1. 基本的動作とADLの維持
  2. 閉じこもりの予防-出かける場所が必要

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 在宅で生活する障害老人に必要なことは何か(ニーズ)

 

障害老人と家族は別々のものでなく、全体としてひとつにまとまったものである。

障害老人を一人抱えると家庭生活全体が歪んでいく

 

  1. 障害老人に必要な援助とは?
  2. 家族に必要な援助とは?

 

在宅生活を続けるための8つのニーズ

  1. 地域リハビリテーション活動の2つの方式
    1. 通所ケアとしての「機能訓練事業」

老人保健事業の機能訓練事業 老人保健法

(1)機能訓練事業の概要

 昭和57年8月老人保健法が成立し、昭和58年から老人保健法に基づいた保健医療対策が実施され、現在に至っている。

 

 老人保健事業のリハビリテーションは、A型(基本型)とB型(地域参加型)があり、A型は、日常生活上のリハビリテーションに重点をおき、B型については、地域における社会参加に重点がおかれる。

 介護保険制度が導入されたことにより、介護保険サービスを受けることができる人については、原則として老人保健事業のリハビリテーションの対象ではないが、地域の状況によって参加できる場合もあるので、各市町村の担当窓口にご相談ください。

 

対象者 実施場所 内容

A型 当該市町村に住所を有する40歳以上の人で、次のいずれかに該当する人

○医療終了後も継続して訓練を行う必要がある人

○身体機能や精神機能に支障があるにもかかわらず、訓練を受けていない人

○老化などにより、心身機能が低下している人 市町村保健センター・健康増進センターなど ○歩行、起きあがりなどの基本動作の訓練

○食事、衣服の着脱などの日常生活動作の訓練

○習字、絵画、陶芸、革細工等の手工芸

  • レクリエーション及びスポーツ

 

B型平成8年以後。虚弱老人対象。当該市町村に住所を有し、老化などにより心身機能が低下している人であって、交通機関を利用したり、隣近所までなら外出が可能な人 上記実施場所のほか、集会所、体育館、公共施設など地域住民の身近な場所 ○レクリエーション、スポーツ、絵画、工芸などの創作を主体とした活動

  • 交流会、懇談会及び地域の諸行事への参加などを主体とした活動

(2)機能訓練事業の意義

 

○最もすばらしいことは市町村に義務づけられていること。

○全国どこに住んでいても自分の担当の保健士がいてリハビリが保証されている。

  • 憲法25条は最低限の生活を保障しているが、機能訓練事業はQOLを保証している。
  • 理学療法士、作業療法士、言語療法士がいればそれに越したことはないが、キイパーソンは保健士である。
  • 機能訓練事業とはいうが、身体の機能訓練に励む事業ではなく、閉じこもらず、ADLに自立し、体力をつけ、仲間を作り、前向きな生き方を獲得していく、「社会機能訓練」というべきものである。
  • リハビリ教室(機能訓練事業)に参加し閉じこもりを脱した人は数知れない。もし昭和58年にこの事業が制度化されなかったら、日本中寝たきり老人の山になっていただろう。
  • この事業の根幹は対象者の発掘と掌握と徹底したフォローにある。その広がりは自主的な仲間作りやボランティアの育成にとどまらず、街作りにもつながっている。
  • 他の市町村と交流することで、利用者は町を超え、孤独感がいっそう癒される。

 機能訓練事業は地域リハビリテーションの事業拠点としてきわめて重要である。保健事業に組み入れられていることもすばらしい。世界に誇れる法律であり、事業である。人材など力不足で十分生かしきれていないが、介護予防の観点からすると、介護保険と両輪をなすものになり得るものである。

(3)機能訓練事業の危機

2000年4月から始まった介護保険制度は機能訓練事業(1983年~)を直撃した。

「要介護者等は機能訓練事業の対象にならないことを原則とする…・」と規定されたためである。この事業には全国の多くの保健婦やOT,PTが心血を注いできた。機能訓練は介護保険事業の補完ではなく、利用者にとってなくてはならない社会サービスの選択肢のひとつと考えられる。

(介護保険開始前調査)1998年の調査では、介護保険導入後の機能訓練事業については、95%がその継続を強く望んだ。1999年10月厚生省は「機能訓練事業は従来どおりA型、B型として、介護予防の事業として、今後も推進を図っていくこととする」と明確にしめした。

(介護保険開始後調査)2000年7月。現状維持は半数。介護保険制度と重複利用できないことから、機能訓練事業の対象者が著しく減少した施設が70%あった。

200年7月時点では「併用を認める」が56%であった反面、「本人の意向に関わらず断る」は25%であった。重複を許さないと厚生労働省、県から指導されだした2001年2月時点からは一挙に断る方向に向かっているものと推測される。

 

(介護保険開始後に機能訓練事業が必要な理由-アンケート)

  • 人および家族の交流の場、社会参加の場として必要である(83%)

    自主グループが生まれたり、共同作業所に発展させたりと、介護保険制度では期待してもできない機能をもたせることが可能な事業との評価である

  • 介護保険制度からもれた人の受け皿として必要(6.1%)

    介護が必要でなくなることを目指す介護保険制度だが、介護量を軽減した実績は評価せず、成功報酬もない。一方、機能訓練事業は、障害が重い人でも常に社会参加を促す関わりが重視されるため、自立への意欲を高めることが可能である。

  • 予防活動(74.2%)機能訓練事業は、保健活動であり、住民に保証された予防活動を担うものである。すなわち基盤としての保健活動があり、その上に介護保険制度がある。一部の軽い人のみの機能訓練事業ではないのである。

 

(今後の対策と展望)

  • 厚生労働省は機能訓練事の対象者と介護保険対象者の住み分けをすすめ、虚弱老人を機能訓練事業の対象者にする方向を明確にしめしている。今後A型を廃し、B型を増加させるとした。しかし介護保険制度に付随して立ち上げられた「高齢者・生きがい・介護予防支援事業」により、機能訓練事業はA型もB型も不要となり、B型には財務省の反対で予算がつかなかった。また、虚弱老人を対象とすると、機能訓練事業の対象者を40歳以上としていることに矛盾してくる。
  • 厚生労働省が、介護保険利用者の機能訓練事業の重複利用は認めないことについて、利用者の選択権の尊重と、機能訓練事業の特質から重複参加を認める方向で、発展的に修正する必要がある。
  • 機能訓練事業と介護保険サービスとの役割の差異を示す実証的な研究を進める必要がある。機能訓練事業では仲間から学び合うことが可能であるし、社会的役割を学ぶことができる。介護保険サービスではQOLの改善には程遠いというのが多くの現状ではあるまいか。

2)訪問ケアとしての「訪問リハビリテーション」

訪問リハビリテーション

 理学療法士や作業療法士などが家庭を訪問して、日常生活の自立を助けるためのリハビリテーションを行う。

 医師の指示に基づき、専門家が訪問し、リハビリ(機能回復訓練)を行います

▼対象者

 (1)介護保険:要支援・要介護認定を受けた方

 (2)医療保険:かかりつけの医師が訪問リハビリテーションの必要を認めた方

 

 

 

 

訪問リハビリテーションの適応

  1. 老人自身の生活能力改善には効果は薄い(訪問リハから通所に結びつける)
  2. 訪問リハの第一の役割:孤立からの解放(閉ざされた家族を開放し、各種の援助を受け入れる準備状況を作り出す
  3. 訪問リハの第2の役割:情緒的な支え

 

(まとめ)

問題の根源が老人自身と家族の「閉じこもり」にあるとしたら、その閉じこもり状況を解決するのが地域リハの課題となる。訪問による各種の援助の目標は家事をはじめとする家庭生活の運営を整え、介護負担を軽減させることなどを通して、老人とその家族をふたたび地域社会との交流の場に復帰させることに置く。訪問活動時は心置きなく買い物に行ってもらうとか、子供の父母会に出席してもらうなど、訪問時に家族を家に縛り付けていてはいけない。