介助実習(全介助-リフティング)
トランスファー:移動・移乗動作(障害者自身がベッドから車椅子,車椅子から便器や自
動車等へ移動することの他に,介助者による移動動作も含まれる)・
フティング:ほぼ全介助によるトランスファー. ・
(1)フティングの基本原則・3
・最も容易な方法であること・
・障害者・介助者にとって安全な方法であること ・
・できれば障害者にも協力してもらえる方法であること ・
※前もって部屋を整理し,家具,ベッド,椅子,車椅子等の位置関係を考え,充分なス
ペースをとる。
ベッドや椅子・車椅子が固定されて動かないこと。確実なブレーキや取り外し式のアー
ムレストやフットレスト,バックレストをリクライニング式にするなどの工夫。
・11リフティングの選び方・3
・障害者の障害(全身状態および残存機能)の程度を知る・
意識障害の有無や残存機能がどの程度使えるかを知る ・
・障害者の体格・重さを知る・
大柄な障害者に対しては,介助者の人数を増やす
・痛み・拘縮の部位と程度を知る・
長期臥床の障害者では,痛みに対して敏感で訴えも多い。痛みがどの部位にあり,どの
程度なのかを確認する。・
※肩は拘縮が起こりやすく,無理に腕を引き上げると,痛みの原因になるから,充分に
注意する。
※仙骨部や尾骨部などに褥そうがあれば,その部位がひきつれるような持ち方は避ける
・部屋の広さと移る物どうしの高さを考慮する ・
できるだけ広いスペースを確保すると安全性が高まる。一方から他方へ移す際の高低差
が大きい場合は,それぞれに応じたリフティングを選ぶ。・
・1(3)リフティングの際の姿勢について・3
・1腰への負担を最小限にくいとめる・3
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・・自分の身体にできるだけ近づけて持つこと ・
・重いものを手を伸ばした状態で持つと,脊柱 ・
・から離して持つと,脊柱から腕が離れる為に ・
・腰の筋肉や椎間板に強い負担がかかり痛みの・ ・
・原因となる。できるだけ,身体に近づけて持・ ・
・ち,背筋はまっすぐ伸ばして重心が両足に中心・ ・
・に落ちるようにする。(図・) ・
・・ ・
・・両足を開いて支持面を広くする ・
・両足を開くと,支持面が広がり側方への安定が ・
・良くなり,更に一方の足を前に出すことにより・ ・
・前後の安定も得られる(図・)・ ・
・・下肢の筋力を使う・ ・
・持ち上げる場合,両手と体幹は物を保持するだ・ ・
・けであり,実際には・1両下肢の力・3でもち ・ ・
・あげる。図のように中腰の姿勢で物を持ち上げず・ ・
・背筋を伸ばした状態から両下肢をのばして立ち上が ・ ・
・る。 ・
・・体全体を緊張させ,ふんばること ・
・掛け声「いちにいのさん」とか「よいしょ」などと・ ・
・掛け声と同時に全身の筋肉を緊張させることで関節・ ・
・にかかる負担を軽くする。深い吸気の後,一時呼吸を・ ・
・止めて腹圧を上昇させ腰への負担を最小にくい止める・ ・
・ ・
・・一側の足ら他側の足へ体重(重心)を移す ・
・物を持ち上げ他の場所へ移動する場合,安全性を得る・ ・
・為に足を開いて支持面を広く保ち,身体から物を離さ・ ・
・ないようにして,一側の足へ体重を移すことによって・ ・
・行う。決して,身体をねじったり,曲げたりしない。・ ・
・足先をを移動する方向へ向けるトやりやすくなる。図・ ・
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(4)・1リフティングの際の注意点・3
自分自身の姿勢以外に次の注意を払う・
・窮屈な服装は動作を制限するため,動き易い服装にする。・
・安定した靴をはき,滑りやすい靴やサンダルはしっかりしたベースを保持できないの
で,安定した靴を履く。・
・胸ポケットにペンやネームプレートをつけたままや,腕時計をしたままリフティング
をすると痛みや不快感を与える原因となるので取り外す。
・リフティングを始める前に,障害者に方法を説明し,納得させてから行うようにする
突然始めると不安になる。・
・リフティング全体を通して,障害者の表情を確認し,痛み,めまい,不快感などがな
いか注意ヲ払う。・
・2人又は3人でリフティングを行う場合,チームワーク大切にする。リーダーを決め
リーダーの掛け声に合わせて行うようにする。・
・障害者の仙骨部や尾骨部に褥そうがある場合は,その部位がひきつれるような持ち方
は避ける。