車椅子の構造と介助と自力駆動
実習例題3-車椅子の構造と介助と自力駆動
Cさん。男性75才。左片麻痺。標準型の車椅子を使用し,今日、初めて車椅子駆動を練習します。
上肢・下肢・手指ともに随意運動はありますが, 左上肢,左下肢は車椅子駆動に実用的には使えません。また、上肢、下肢、大幹ともに共同運動パターンの動きが出やすい。車椅子駆動の指導をしてください
次の順序でグループで取り組みなさい。
①の車椅子の構造や操作、介助方法、調整方法を学びなさい。
②標準型の車椅子を片麻痺の人が自力駆動する方法を考え、指導しなさい。。(前進,方向転換,その後椅子への乗り移りや椅子からの移乗,その他必要と思えること。ただしベッドからの移乗指導は不要です)
③次にさまざまな種類の車椅子を知り、操作してみよう
④車椅子の良い座位姿勢と よく見られる悪い座位姿勢(悪い姿勢は正しなさい)
①次の実習を行い、知識・技術を必ず習得しなさい
1.車椅子の名称を覚えなさい 8.2~3段の階段昇降
2.車椅子の折り畳み方を実習してみよう 9.不整地の走行(砂利道など)
3.ブレーキ操作/ブレーキ調整 10.坂道昇降の介助
4.両手こぎをして車椅子に慣れよう 11溝越え
5.フッとレストの高さ調整をしよう 12.階段昇降 ・前後から・両側から・2~3人抱え・
6.キャスター上げの介助 13.両手の使えない片麻痺では方向のコントロール
7.段差の乗り降り をどうするか?
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14.車椅子のメンテナンス
2.車椅子の折りたたみかた.
1.車椅子の名称
3.ブレーキ調整:ブレーキは、安全のために最も重要な装置である。
ブレーキが利かなくなる原因を3つ考えなさい。それぞれに対応しなさい
(1)
(2)
(3)
4.車椅子を両手でこいでみよう(自力駆動)。前進、左、右方向、最小半径で一回転など、決してふざけてやらないこと。車椅子は大事に取り扱うこと。
5.既成の車椅子の寸法で重要な寸法はまず。座幅、奥行き、座面の高さである。
○座幅は握りこぶし一つの余裕、
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フットレストに足を置いたときに、膝裏に指1~2本の余裕があるのが望ましい。(膝裏がシートの端にあたらず、シートに圧迫されない余裕)
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足で車椅子を駆動する場合は、座の奥に座って足裏が十分に床につく高さ(下腿長より少し低め)
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唯一調整できるフットレストの高さを、グループで合わせてみよう
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外で介助するときに使うキャスターあげの方法をマスターしよう。前をあげることを乗っている人に必ず告げてから、ゆっくり行う。
7.段差の昇降 まず、タイヤにしっかり空気をいれてから行うこと。危険なのでふざけないこと。
コツは段に対して直角アプローチ。大車輪を段差の角に押し付けるようにしてあがる
8.段の奥行きが狭い場合2~3段であれば一人、あるいは二人介助で昇降する
どのように昇降するか、考えて行おう。特に危険で車椅子にも負担が大きい。注意しなさい。
9.不整地走行(砂利道など) キャスターがはまり込まないようにする。
10.坂道昇降の介助
11.溝越え-踏み切りのレールなどの溝
12.車椅子を抱えて段差を昇降する 非常に難しく危険、左右に位置する人は体格、力も同じ程度。
②片麻痺の標準型の車椅子自力駆動(自走・自操)はどうしたらよいか、試してみよう
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前進してみなさい
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左に進みなさい(左へ方向転換)
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右に進みなさい(右へ方向転換)
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次に上記(1)~(3)を片麻痺の役割をとった人に指導しなさい。
前進は後ろから杖などを固定し、踵で押し付けるようにして前進を指導するとわかりやすい
また、踵を押し付け、膝を曲げる介助などをしてみる
(5)車椅子←→椅子に移乗しなさい 自立、一部介助、半介助
④座位姿勢-良い姿勢、悪い姿勢。良い姿勢にするためには
(1)前進するためには、駆動しやすい座位姿勢、特に臀部の位置はどうしたらよいか
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自力駆動していると、徐々に臀部が前にずれて、仙骨座りになる理由は?
車椅子とずれの力-仙骨座り
足の位置で姿勢は変わる-車椅子では足の位置は トータルコンタクトの座面が最も良い座面
どこにあるか
片麻痺の不自由な姿勢と自由な姿勢
(トータルコンタクトにより自由な姿勢が得られる)
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